正しい×化学=面白い

化学にまつわること、化学メーカーにまつわること、化学の考え方を技術者視点で発信してます。

成分の違いは? 洗剤にまつわる化学

f:id:marumarru:20190603202807p:plain


どうも、おるなけです。

 

花王(株)から最近発売された衣類用洗剤、『アタックZERO』。

何やらスタイリッシュな製品で、試したくなる商品です。ワンハンドプッシュは洗濯が捗りそうなシステムですね。デザインもカッコイイので、男性にも支持されるような気がします。

 

また、新製品が出ると気になるのが、既存製品との違いです。

そこで今回は、既存製品の『アタック(高浸透バイオジェル』と新製品『アタックZERO』について、成分の違いを化学的に考察してみます。

 

 

成分表示について

含有率が高いものから順に記載があるので、影響が大きい一番最初の物質(水を除く)についてのみ見ていきます

 

また、実際の洗浄能力は洗剤に含まれる薬剤の「配合」によって決まりますので、今から書くことはあくまで参考程度にとどめておいてください。

 

アタック(高浸透バイオジェル)の成分

ポリオキシエチレンアルキルエーテル(30%、界面活性剤)

 

区切りましょう。

ポリ/オキシエチレン/アルキル/エーテル

 

ポリ

ポリマーのポリと同じく、「たくさんの」という意味があります。次に続くオキシエチレンがたくさんあるよーっていうことです。

 

オキシエチレン

 

オキシは酸素を表すので、エチレン(炭素2つ)に酸素がくっついた(厳密には違いますが)イメージです。水となじみやすい(溶けやすい)親水性のユニットです。

 

 

 

アルキル

炭素のことを意味します。油となじみやすい疎水性のユニットです。

 

エーテル

ポリオキシエチレンの部分と、アルキルの部分を繋ぐ橋の役割です。今回の場合は、酸素で繋がっています。

 

雑談:形(分子構造)

分子が一方向に(分岐しない)ニョロニョロとくねりながら伸びている感じですね。虫みたいです。(虫ではない)

 

ポリオキシエチレンアルキルエーテルの性能

「ポリオキシエチレンアルキルエーテル」はポリマーなので、水にとけにくいのかな?という印象です。実際すすぎ2回必要ですから、水にとけにくいのかもしれません。

 

因みに

ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、高温よりも低温にしてあげると、水に溶けやすいです。ですので、お湯ではなく、水で洗いましょう。

 

 

 

アタックZEROの成分

ヒドロキシアルカンスルホン酸塩とアルケンスルホン酸塩からなる混合物(56%、界面活性剤)

 

区切りましょう。(2つあるので、共通部分は割愛します)

 

ヒドロキシ/アルカン/スルホン酸/塩

アルケン/スルホン酸/塩

 

ヒドロキシ

水ととてもなじみやすいユニットです。

 

みなさん大好きお酒にはアルコール(エタノール)が含まれていますが、そこにヒドロキシ基というユニットが含まれています。

 

例えば、ウォッカウイスキーはアルコール分がたくさん入っているのに、水も入ってます。でも分離してませんよね?

理由はエタノールにヒドロキシ基がついているからです。

 

アルカン、アルケン

この2つ、名前がよく似てます。

アルカンはアルキル鎖という炭素と水素からなる油となじみやすいユニットです。

アルケンというのは、不飽和結合というものが入った油となじみやすいユニットと言えます。

 

イメージ(焼き肉に置き換えて)

「アルカン」はもう、お腹いっぱいで食べられない、デザートもきつい状態(簡単には化学反応しない)

「アルケン」はまだ全然食べれる、むしろ今からビビンバとか食べられる状態(化学反応できる)

 

因みにもうひとつ「アルキン」というのがあるんですが、これは、焼き肉行って腹ペコで注文しまくっているときの状態です。(もっと化学反応できる)

 

スルホン酸、塩

スルホン酸は硫酸と似たユニットのことです。実際、スルホン酸塩ですので、硫酸とは似ても似つかず、全く危険ではありません。

 

塩というのは皆さまよく摂取している塩(しお)ではないです。塩(えん)と呼びます。

 

スルホン酸塩部分は水ととてもなじみやすい親水性のユニットです。

 

性能

ヒドロキシ基がついているため、通常のアルキルスルホン酸塩よりも水となじみやすく溶けやすい。

もう一方の成分はアルケンがついているため、分解されやすい(生分解性がある?)のかなというのが個人的な印象です。

 

※その他の成分は花王のホームページまたは商品に書いてありますので、そちらをご参考ください。

 

最後に

今回はアタックZEROという洗剤を取り上げて化学的に考察してみました。調べてみると、知らないことが結構あるものですね。

 

今後も、身の回りの日用品に入っている成分について記載していこうと思います。

 

皆さまも、身の回りの日用品に含まれる成分に注目して、何が違うのかイメージしてみると、意外な発見があったりするかもしれませんよ?

 

 

では。

鋼の錬金術師の化学的考察

f:id:marumarru:20190603202543j:plain


どうも、おるなけです。


タイトルの通り、今日は『ハガレン』こと鋼の錬金術師を化学的な視点で考察してみます。
※若干のネタバレを含みます

 

ハガレンに入る前に、そもそも錬金術って何?


普通の金属(鉄とか)を化学的な手段を用いて貴金属(金)へ錬成する術


いわゆる、価値のない素材を価値あるモノへ変換するのが錬金術の真骨頂と言えますね。


昔に限らず、現代においても変わらず錬金術(金は作れないですが)は存在してます。


そう、広義で言うところの化学メーカーがその役目を担っています。


実際、ほぼ価値のないモノを化学反応によって高付加価値のモノへと変換し皆さまへ提供するのが、化学メーカーとも言えます。
(化学には価値を生み出す技術が詰まっているんですよ!)

 

 

 

ハガレン』の中の錬金術


たくさんの錬金術師がいますので、今回は大きく3種類に分けて、ひとつひとつ化学と関連させてみます。

  1. 鋼の錬金術師たち
  2. 焔の錬金術
  3. 紅蓮の錬金術

 

鋼の錬金術師たち

いわゆる、一般的な錬金術ですね。エドやアルが使う錬金術をイメージしてもらえたら大丈夫です。
イズミ・カーティス、アームストロング少佐も、とりあえずこのくくりにします。(スカーやメイ・チャンが使う錬丹術も)

 

何をしているか


錬成陣を描いて、そこにある物質を元素レベルで理解し、分解、再構築の工程を経て目的のモノを得ます。
発動には、地殻エネルギー(錬丹術で言う龍脈)を利用します。

 


化学で言うと


①理解
反応式をあたまに浮かべ、目的の物質の分子構造をイメージ


②分解
様々な薬剤用いて原料を活性化、各種装置・器具を用いて反応


③再構築
精製して、使えるものを取り出す


④使うエネルギー
生成物のほうが原料よりエネルギー準位が小さい場合を想定すれば、加熱しなくとも、原料と様々な薬剤を混ぜるだけで目的化合物が得られます。

 


てな感じでしょうか。最後分かりにくいかもしれませんが。。

 

焔の錬金術


ロイ・マスタング大佐お得意の錬金術ですね。チート級の強さを誇ります。


何をしているか


空気中に含まれる酸素の割合をコントロールして、そこに発火布で火花を出して着火、炎上です。


化学的視点からみると


酸素濃度を調整するだけでは火は出ません。(酸素濃度が高すぎると逆に燃えにくくなります)
燃焼には必ず酸化されるもの(酸素と反応して燃やされる材料)が必要です。
空気中にあるものと言えば、水素と二酸化炭素と窒素ぐらい(他にもありますが)です。


恐らく、エネルギー(地殻エネルギー)を用いて二酸化炭素を還元し、それを酸素と反応させて燃やしているのかなと思います。


雨が降ると無能になる大佐ですが、水の中の水素を利用して爆発を起こしているシーンがありましたよね。

あれも、水を還元して水素を取り出し、エネルギー(地殻エネルギー)を使って酸素と反応させて爆発させていると予想されます。


もう、何でもできますね。

 

紅蓮の錬金術


ゾルフ・J・キンブリー、ヤバい奴です。
どうやって爆発を引き起こしているかの描写は無いですが、とにかく破壊力がありますね。錬成陣を手にかいているので、昔のアル見たいに錬成陣を描く必要がないのも、割りとチート級です。


化学的視点で考えると


考えられるとしたら、空気中の窒素と酸素と二酸化炭素と水を利用してTNT(トリニトロトルエン)を合成しているのかなと考えます


ただ、作中ではほとんど賢者の石を利用してるので、石が無いとどれくらいの実力を誇るかよくわからないです。
石があったことを考えると、砂漠で水が無いのに爆発させまくっているのも頷けます。

 

最後に


ハガレンと言えば、印象的なセリフが多数ありますよね。「まるで神への祈りじゃないか」が私のお気に入りです。


思えばハガレンが化学者へ進むことになったきっかけの1つかもしれません。


皆さまもハガレンから少し化学を感じてもらい、その面白さに気付いていただけると、私としてはうれしい限りです。

 


では。

マイナスイオンって本当にあるの?

f:id:marumarru:20190608213345j:plain


どうも、おるなけです。


本日のテーマはマイナスイオンです。
一時期(もうかれこれ十数年前ですが)「マイナスイオン」という言葉が流行っていた記憶がありますが、今でも割りとメジャーなワードかと思います。

 


森の中に行くとマイナスイオンがいっぱい
マイナスイオンが出てるから、空気がキレイ。
滝の下にはマイナスイオンがあるから…

などなど。


マイナスイオン=身体(精神的)にいい
というイメージですね。

 

 


という訳で、マイナスイオンについて、化学メーカー技術者視点で考察してみます。

 


結論から言うと、マイナスイオン、そのものは置いといて、言い方がかなりまずいというお話です。

 

マイナスイオンを訳すと


マイナスのイオン


そのままですね。

 

 

何故言い方がまずいか


化学の世界には無数のイオンが存在します。
イオンというのは、プラスかマイナスの電荷を持っていることは何となく想像出来るかと思います。
例えば食塩(NaCl)。これが、Na+とCl-がくっつきあってできているのは、中学で習ったと思います。そんな感じです。

 


さて、マイナスイオンの言い方、何が問題か。


マイナスイオンと一言で言ってしまうと、マイナスのイオンが単独で存在するという意味に捉えられ、誤解を招く恐れがあります。


先程も言いましたが、イオンにはプラスとマイナスが存在します。しかし、それぞれが単独で存在することはあり得ません。少なくとも私たちのまわりの環境では。

 


プラスのイオンには対となるマイナスのイオンが、マイナスのイオンには対となるプラスのイオンが必ず存在します。

 

 

マイナスイオンが単独で存在するとどうなるか


具体的には想像できませんが、マイナスはプラスが無いととても不安定です。
プラスを求めてあらゆるものを無作為に攻撃(爆発的に反応)すると予想できます。


そんな攻撃をもし人が受けたら、人は人で無くなります。(猛烈に化学反応を起こすので)


イメージで言うと、マイナスイオンが単独で存在して、私たちのまわりにあったら、身体の表面全てがドロドロに溶けちゃうくらい、ヤバい反応を引き起こすぐらいヤバいです。(もっとひどいかも。。)


てなわけで、マイナスイオンというものは基本的に存在しないです。

 


いわゆる精神的にいいものという意味で使われるマイナスイオンは、違う名称にするのが正しいと言えます。(無いですけど)

 

じゃあ私たちが感じるマイナスイオン的なものは何なのか


それは、マイナスイオンじゃなくて、単純にリラックスを促す環境が整ってるだけだと思います。
(森林浴しかり、滝しかり)
音、景色、匂い、空気の澄んだ感じ。それらが人間にとってリラックスできる環境となっている。と私は考えてます。

 

ちまたのマイナスイオン的なやつは、何なのか


家電についてる「マイナスイオン」機能、ほぼ無視していいと思ってます。根拠がないですから。


ただ、ドライヤーを最近変えたんですが、Panasonic製ドライヤーにはナノイーが付いてました。ナノイー。イオン感満載です。SHARPさんで言うところのプラズマクラスターも近い物を感じます。


これらはマイナスイオンと何が違うのか。


厳密にはわかりませんが、それぞれ効果があるのは実験的に明らかだと言うことです。
(ただし、様々な条件がつきますが)
全く根拠がないという訳でないようです。

 

さいごに


今回マイナスイオンを取り上げて、いくつかの考察を述べました。
世の中には根拠がないマイナスイオンという表記が見受けられます。


もしお店やウェブサイトでマイナスイオンという表記を見たら、やみくもに信じるのではなく、本質は何なのかを正しく理解することが大切かと思います。


そうすれば、無駄な買い物、無駄な時間を減らし、より豊かな生活に繋がると思います。


ストレスはマイナスイオンじゃなくて、自然の中で洗い流しましょう。

 


では。

高校化学と大学化学の違いって?

f:id:marumarru:20190522081540j:plain

どうも、おるなけです。

 


前回化学が意味不明と感じる高校生向けに記事を書きました。

 

tadashii-kagaku.hatenablog.jp

 


今回は、大学進学を目指す高校生、しかも化学やろうか迷ってる人へ向けた記事です。


また、お子さんが化学の道へ進む親御さんにとっても、自分の子供が学ぶことを何となく知れるのではと思いますので、是非ともお読みいただけたら幸いです。


では、高校化学と大学化学の違いは何なのか。
化学を学び、化学でご飯を食べている化学メーカー技術者視点で書いていきます。

 

高校化学、大学化学を一言で表すと?

 

  • 高校化学:ほぼ暗記でなんとかなる学問
  • 大学化学:原理+考え方を学ぶ学問

 

高校化学について


学ぶ範囲はある程度満遍なく学ぶ一方、それぞれの範囲での学習内容が浅くなります。
そのため、一部原理を考える必要はありますが、結局暗記せざるを得ないと言えます。


高校の頃、化学がよくわからなかった、となるのは、理解よりも記憶することが多かったせいもあるかもしれません。

 

 

大学化学について


大学化学を学んだことがない人は、全く想像つかないと思います。実際学ぶことが多いため、ここで全てを伝えられるのは正直難しいですが、かいつまんで説明します。

 

大学化学の種類


有機化学無機化学、物理化学…等々。主なものはこんな感じです。他にもたくさんありますが、高校時代「化学」とひとくくりにされていたものが、より細かく分けられているとイメージしてもらえたらと思います。

 

大学化学は実験あるの?


カリキュラムにもよりますが、学部生の時には学生実験というものがあります。高校生よりも実験をやるのが、大学化学の特徴でもあります


また、本格的に実験するのは、大学4年からです。
大学4年~大学院(進む人は)では、ほぼ毎日実験の日々と言っても過言ではありません。

 

大学化学は高校で想像する化学と何が違うのか?


高校は化学反応を覚える
大学は化学反応をつくる


先程書きましたが、高校化学では化学反応をある意味覚えなければなりません。
大学化学でも、ある程度の記憶が必要にはなります。しかし、それよりも化学反応の原理を理解した上で化学を学び、いずれは新しい化学反応をつくることが求められます。

 

 


新しい化学反応をつくるとは


新しい物を生み出すということ

 


大学では、最先端の研究にどっぷり浸かることになります。会社に入って思うのは、大学の研究が本当に最先端だったんだなということです。


何故なら、自分が生きている間に恩恵を受けられるかどうかぐらい先の研究をするからです。そのため、研究の先が想像が出来ないことも多々あります。

 

さいごに

野球で例えると

高校化学は入門(ボール拾い)
大学化学は練習と試合
会社(化学メーカー)の化学は甲子園といったところです。
プロは大学教授かな?

 

高校化学が化学の全てとは思わず、化学自体を長い時間軸で捉えてもらえると、奥深さを知ることができますよ。

 


では。

【高校生向け】化学が意味分からない人に贈る3つのこと

f:id:marumarru:20190522082255j:plain

どうも、おるなけです。

 


高校で化学習い始めたけど、なんだか意味が分からないことが始まったわ、って感じる人多いんじゃないでしょうか?


私の場合、今でこそ化学でご飯食べておりますが、高校当時化学を習い始めた時、第一印象は「化学訳わからんな」です。
何でもそうですが、はじめはこんなもんです。

 


そこで今回は、高校で化学を学ぶ高校生に、3つのことを化学メーカー技術者目線でお伝えしようと思います。
この記事を読んで、少しでも化学勉強してみようと思ってもらえたら、嬉しい限りです。

 

3つのこと

  1. 化学が意味不明な理由
  2. 化学を学ぶ意味
  3. 化学意味不明から、少し分かったかも?になるために

 

1.化学が意味不明な理由

  • mol(モル)の登場
  • 大量の謎記号や用語(元素記号とか、分圧とか、アボガドロ数とか)
  • 化学反応(酸化、還元)とかいう、全くイメージ出来ない現象


上記の3つが、化学を意味不明にしている戦犯だと私は思ってます。molってなんだよ。謎単位登場すんなよって。


とにかく、化学は急に新しい概念が大量に押し寄せてくる学問かと思います。


意味不明な大量の情報が強制的に頭に入ろうとする⇒ストレスたまる⇒ムカつく⇒拒否、無理
となり、高校で化学嫌いが量産されていきます。


(新しい記号楽しい!化学楽しい!って人は少数派かなと)


とりあえず、意味不明な用語がある以上、それは意味不明以外にはなり得ません。

 


加えて、高校化学は化学全体を網羅しようとしすぎて、全部中途半端になってます。そのため、原理の部分が割愛され、やむなく暗記せざるを得ないんです。

 


ということで、まずは化学=よく分からない用語からなっていると認識してもらえたらと思います。

 

 

2.化学を学ぶ意味は

 

「賢く生きるため」

 


化学とか日常生活で要らんやろ!と思っている人、たくさんいます。
この記事を読まれているかた、少なからずそう思われていると、察しております。


確かに日常生活で、「そうかカリウムのほうが銅よりイオン化傾向高いからかぁ」とか、「明日電気分解しよ!」って思ったりする人は皆無だと思います。


化学を仕事にしている私もそんなこと思いません。思ったことありません。

 


ここで言いたいのは、高校の化学をそのまま暗記して学ぶ意味はほとんどない、ということです。


そのまま学ぶのではなく、裏側にある本質を理解しようとすることが大事なんです。

(何でもそうですが)


言い換えるなら、冒頭記載したとおり「賢く生きるため」に化学を学ぶ必要があるんじゃないかなと思っております。

 

賢く生きるためとは


1.高校化学を手段として考えた場合(受験)


行きたい大学の科目に化学があった。どうしても行きたいけど、化学は苦手。こんな場合。


行きたい気持ちと化学をやりたくない気持ち、どちらが大きいか、冷静に考えてみましょう。


自分の思いを実現することを、高々高校の科目一つで不意にするなんて、めちゃくちゃ悔しいんじゃないかと思います。


反対に化学をやりたくない気持ちが大きい場合、「自分の中でその大学はたいして行きたくないレベル」ということになります。


化学を受験科目という「手段」として考えた場合、化学を利用出来ない状況は、自分の可能性を狭めることにつながります。

 


2.日常生活


私の周りのほとんどが化学で構成されていることは、以前の記事でも述べました。

 

 

tadashii-kagaku.hatenablog.jp

 


化学を知っている人(各メーカー)が日用品をすべて作っている。調味料も同じ。身の回りの衣料品も。薬も。


つまり、化学を知っている人が世界を作り、その中で私たちは暮らしているということです。(化学メーカーの人間が言うなよ)

 


では、化学を知らないとどうなるか。


巷で言われている情報を考えないでそのまま信じて生活するはめになります。
何だか腹が立ちますね。


高校化学は化学の全てを表しているわけではありませんが、知っておくと日常生活で物事を判断する際に役立つはずです。


例えば、酸化還元。
切ったリンゴの色が変わる、錆びが発生する、は全て酸化が原因です。酸化を防ぐには酸素に触れなければいいから…のように対策をたてることにつながります。


これはあくまで一例ですが、日常生活には化学で説明出来ることが山のように存在するんです。

 

 

高校化学を学ぶ意味は

 

  • 自分の可能性を広げる(受験する人は)
  • 身の回りほぼ全てが化学で構成されていることを認識することを学ぶきっかけになる
  •  
  • 身の回りの製品に対して、正しい判断が出来るようになる

 

意味不明から、少し分かったかも?になるために


謎単位、謎記号をまずは受け入れる


私たちは知らず知らずのうちに、当たり前と受け入れていることが多々あります。
例えば重さの単位「g(グラム)」。


体重が〇〇kg増えた、炭水化物が25g含まれている。等々


(ちなみにキログラムのキロは1000倍って意味なので単位ではないです)


もう一つ、水の沸騰する温度が100℃、というように使われる「℃」

 


これらの単位は疑問持たないですよね?

 


何故か。

 


それは、小さい頃から慣れしたしんでるからです。ただ慣れてるだけに過ぎないんです。

 


一方mol。何をあらわすの?って思いますよね。g(グラム)に変換してよって思う人も少なからずいることかと。


そもそも単位って何でたくさんあるのでしょう。
それは、物事を分かりやすく考えるためにそれぞれの物事にあわせて人間が作ったからです。


謎の記号(元素)、謎の式(化学反応式)も全部人間が分かりやすく理解するために作ったものです。


不思議かもしれませんが、全て分かりやすくするために洗練されたものばかりなんです。


洗練された方法が目の前にあるなら、それに乗っかって考える。それが化学を学ぶ最も合理的な方法なんです。


つまり、化学を学ぶとは慣れること。これが理解への一番の近道だと思います。


子どもですら体重のkgをわかっているんです(慣れている)。高校生なら、新しい単位を受け入れて慣れることは絶対出来るはずです。不思議な式も慣れることが出来ると私は信じてます。

 


まずは受け入れる心を持つ。これが意外と大切です。

 


慣れるなんて無理、先に本質を理解しないと気がすまないなんて人。逆に化学の道が向いているかもしれません。

 

さいごに


高校化学は一部受験のための修行だと思う人も多いことかと思います。
受験だと割りきるなら、修行だと思うとつらいです。勉強をゲームだと思ってやると、少し苦手が無くなると思いますよ。

 


では。

現役社員が語る!化学メーカー(企業)の違いを探す前に見るべきこと

f:id:marumarru:20190522082302p:plain


どうも、おるなけです。

 


就活における業界研究であったり、企業研究をするなかで、どの職種にしようかなと考えた先に必ずぶち当たる疑問があります。


それは、「業界は何となく分かった。でも企業それぞれで何が違うの?」ということ。


どの業界にも言えることですが、業界にはたくさんの企業があるなかで、それぞれが異なるビジネスを行い、風土も異なり、給料も異なりと、ある種無数の違いがあります。ただ、端から見ている分には、その違いに対して具体的なイメージが沸きにくいです。


そのため、就活中に何処に行きたいかが分からなくなることが往々にしてあると思います。
(自分はここの企業だ!と思える人には無縁の世界かも知れません)

 


そこで今回は、「化学業界」に絞り、化学メーカー技術者視点での「違い」、それに対してどう考えるべきかを述べていきたいと思います。

 

化学メーカーとは?


こちらに関しては過去の記事を参考にしていただければと思います。文系、理系向けそれぞれに化学メーカー技術者としての考えを記載してます。


過去記事(文系編)

 

tadashii-kagaku.hatenablog.jp

 


過去記事(理系編)

 

tadashii-kagaku.hatenablog.jp

 


では本題へ参りましょう。

 

化学メーカーの違いとは?


まず違いを生む要素をネットで調べて出てくる情報を挙げられるだけ挙げてみます。

 

  • 年収、初任給
  • 売上、規模、株価(上場企業の場合)
  • 製品(分野)
  • 収益
  • 企業理念
  • 雰囲気(就活ページの先輩社員の声等)
  • 福利厚生(社宅、寮)の有無
  • ニュース、新聞に出てくる開発製品
  • 2chでの噂

 


挙げればきりがありませんが、ざっとこんな感じかなと思います。化学メーカーに限らないものも多いですが。。


企業のホームページを見て、こういう製品開発に携わりたい!という考えがある人も中にはいることかと思います。
私が就活していた時は、先輩社員の声を見て、自分の中でどんな会社かを想像していました。

 


ここまではよくある情報から目に見える違いを列挙しました。

 

 

目に見えない違いとは?


これもきりが無いくらい多いです。働く環境、配属先のチーム体系、任される仕事内容等々。
ただ、働く上で重要なことにしぼると以下の2点になると思います。

 

  1. 実際の働く雰囲気
  2. 実際の開発

 

実際の働く雰囲気


就活の際、説明会等で企業の方(OB、OG含む)と話す機会はあるかと思います。
就活中の皆さんは、その方々から多くの情報を得て、企業を判断する材料にしていると思います。


しかし、その情報はとてつもなく偏った情報だということを理解した上で活用する必要があると思います。


何故なら、数百、数千人の規模の会社の場合、その情報は企業の社員情報の1%にも満たないからです。


その一人の情報を鵜のみにするということは、ある大学生一人の情報からその大学、大学生活を判断すると同義になります。
大学にはものすごくいろんな人がいますよね?企業も同じです。

 

実際の開発


ホームページや説明会で目にする情報は最新の情報でない上に、具体性に大きく欠けています。
実際の開発はもっと進んでいたり、下手すれば入社時点で案件自体が無い場合もあります。
そのため、この開発が面白そうだ!と思って入社しても、その期待に応えられる企業は一握りだと思います。よほど専門性がマッチしない限り、希望の職種には配属されず、全くやったことの無い仕事、開発、研究をするのが実情です

 

じゃあ、何を見たらいいのか?


働く雰囲気、やりたい開発よりも、もっと重要なことを自分の中から見つけることです


どう生きていきたいか、例えばとてつもなくお金が欲しいか、何処に住みたいか、出世したいか、ワークライフバランスのとれた人生を歩みたい、何でもいいですが、譲れないことを一つ考えてみるんです。


また、心の底からやりたいと思えることを見つけることがとても大事です。
言葉にすることは簡単ですが、これが意外と難しいかもしれません。


実際、やりたいことが分からない人も多いのではと察したりしています。でも、分からないときは、分からないと割りきって、受け入れる。受け入れた上で、どうしたらいいかをゆっくりと考えてみることから始めましょう。

 


私の場合、化学で人を幸せにすること+自分か幸せになることが目的です。就活の際はそれが実現できそうな企業を選び、タイミングも相まって入社し、今日に至ります。


働く環境に左右されない意思を持つこと、それが人生の一部を捧げる企業選びにつながるものと信じています。そして、後悔の無い選択につながると思います。

 

さいごに


化学メーカー別の違いは上記に記載した通り、たくさんあります。ただその違いにフォーカスする前に、自分の本当にやりたいこと、成し遂げたいことに着目してみましょう。それが決まれば、どんな会社ならそれを実現できそうかという目線で企業を選ぶことが出来ると思います。

 


では。

天然由来、石油由来の安全性

f:id:marumarru:20190522082259j:plain


どうも、おるなけです。

 


シャンプーなんかの評判をネットで検索すると、天然由来成分だとか、石油化学製品云々と、天然と石油に分けて議論されているのをよく見かけます。


「天然由来成分配合」というフレーズもあるとおり、一定数の方には天然由来成分=安心、安全という認識が広がっているのも事実です。


そこで今回は、天然由来成分と石油由来成分の本質について、化学メーカー技術者としての考えを記載します。

 

 

天然由来成分とは


いわゆる植物等から得られる成分です。まさしく読んで時のごとく、自然に育った植物(人口的に育てた植物も含む)から得られる有効成分を利用したものです。聞いた感じ、体に優しそうです。

 

一方石油由来成分とは

 

ギトギトの石油から化学反応を利用して作った成分です。人工的に作っています。なんか体に悪そうに聞こえます。

 

 

 


上記が皆さんのイメージされる天然由来成分、石油由来成分だと思います。

 

 

 

 

天然由来と石油由来、安全なのはどっち?


安全性の観点から言うと、そもそも分け方が不適切なため、一概に答えられない


どういうことかと言うと、安全性を考える時に大切なことは、それが「何処から作られた」ではなく、「何が作られたか、もしくは何が入っているか」に依存するからです。


極端な例ですが、天然のフグは美味しいですが、死に至る毒を持ってます。
天然の植物、うるしは触ると被れてしまいます。


そりゃ、当たり前だろ。と思われる方が多いと思います。少し的外れかもしれません。


この例で伝えたいのは、フグの毒は天然、人工関係なく人を死に至らせ、漆に含まれる成分は天然、人工関係なく被れるということです。


つまり、私たちにとっての安全性を考える上で重要なのは、その物がいったい何なのか、危ないとしたら何故危ないのかを認識した上で取り扱う必要があるということです。


そのため、天然由来だろうが、石油由来だろうが、まず使っているものの何がどう危険なのかを正しく把握する。その上で使用の可否を判断することが合理的かと思います。

 

じゃあ何を信じるか


自分が納得するものを使う。自己責任で。


信じるのは自分しかいません。前回の記事にも書きましたが、何かあればお医者さんに相談しましょう。

 

tadashii-kagaku.hatenablog.jp

 


また、洗剤であればオーガニック由来を使うのが気持ち的にも言いように思えます。少々値が張りますので、ほどほどがいいかもですが。

 

化学者の私が信じるもの


化学メーカー技術者の立場もありますが、それを抜きにしても、世に出ている製品(洗剤など)が安全だと信じています
なぜなら、製品が世に出るまでいくつものチェックを通り抜ける必要があり、それに合格したもののみが皆さんの手元に届いているからです。

 

 

さいごに


化学メーカーの使命は豊かな社会を造ることです。私が安全だと信じるのは、それぞれの製品に私たちの暮らしを向上を願う、化学メーカーの思いが詰まっているからなのかも知れません。

 

 


では。